高齢者の幸せな暮らしのために 相談業務の役割と求められる能力

相談業務の役割と求められる能力

介護士の役割には、色々なものがありますが、その中には相談業務もあります。

相談業務に従事する介護士は、施設を利用する高齢者やその家族の悩み・疑問を聞き、その解決に向けて援助する役割を担います。
ここでいう相談の解決というのは、単に解決策を提示することではありません。相談した人が自分で解決できるように、情報を提供したりアドバイスを与えたりすることが肝心です。
つまり相談業務とは、利用者が自分で納得して解決の糸口を見つける自己決定のサポートといえるのです。

介護施設というのは、在宅で生活していた環境と大きく異なる場所です。これまでの生活と引き離された上に、今までと明らかに違う生活を送らなければなりません。

そして介護施設は共同生活の場でもあるため、縁もゆかりもない人たちと一緒に暮らすことになります。見知らぬ場所で知らない人に囲まれるというのは、最初は非常に大きなストレスになるものです。そのストレスが引き金となって、トラブルを起こしてしまう人もいます。

こうした事情に加え、介護施設では人間関係のトラブル、新しい生活環境に対する不適合、プライバシーの問題など、色々なことが起きます。そのため、介護士には色々な分野の相談事が寄せられます。

そんな時、解決法の糸口となる基本的な知識がなければ、なにも対処することはできません。ましてや、自分よりも人生経験が長い人たちの相談事を解決するというのは、そう簡単なことではないでしょう。
そうした難しい状況を対処するためには、人の心理的な部分もきちんと勉強して、あらゆる手法やアプローチを知っておくことが大事です。